「まさかの」1〔押)

いろいろあったのか、なかったのか、一ヶ月ぶりの更新。
かなり大きな事件といえば、45才にもなってサラミのビニールを食っちまったことでしょうか。

それはともかく、最近気になるのは「まさかの」という表現。
この一週間でも「ショーグン、まさかの敗戦」「ルミナ、まさかの一本負け」「ミルコ、まさかの連敗」と見出しや、文章にたくさん踊っている。
もちろん、これは格闘技に限った話ではなくスポーツメディアの常套句となっている。
「まさかの」の始まりがどこなのか、調べたわけではないがテレビのスポーツニュースだと推測される。
「まさかの連敗」は本来「まさか、”負けるなんて予想だにしていなかった相手に負けるなんて”
の””部分を省略した表現だから、これはかなり時間の限られた電波媒体ならではの発案だと思うのだ。

しかし、その結果が番狂わせであるかどうかを文章で書く余地のある新聞、雑誌、ネットの書く媒体まで、重宝しなくてもいいんじゃないか。特にネットは字数がそこまでキッチリとしていないのが長所なわけだし。
また、「まさかの」の「まさか」は、「まさかの時」というように名詞として使うならわかるが、それは「目の前にある危機がやってくること」である。
つまり、起きてしまった出来事にはなじまないわけで、その場合に「まさか」を使いたいなら「まさか、の」と、読点を打って省略したことを示すべきだ。

最初読んだときは。「正妻」に類する表現として「正彼」が流行しているのか、「モトカノ」は定着したが「イマカノ」では芸がないから「まさかの」にしているのか、そう考えたりもした。
もちろん嘘だ。
 
ホントは日本語にウルサイ親父みたいなことを言いたくてこれを書いているわけではない。そんなに言葉遣いに自信があるわけでもないしね。
「まさかの」が気色悪いのは、記事の視点を最初から決めすぎているのが明白だからだ。
「まさかの」と発する立場からのみリポートし続けているから、彼やそのチームが負ければ「まさかの」と書くしかなくなる。それによって劇的効果も生まれるだろうが、それよりも取材不足や見る目のなさを隠す効果が大きいわけだ。

それを意識しているから、勝負ならあらゆる可能性が考えられるというのに、安易に「まさかの」を使う。
例としてあげた3試合は、まったくもって「まさかの」ではない。
ショーグンが試合前にケガを負っていて、ルミナやミルコが序盤でどこかを痛めてしまって‥
これのどこが「まさか」なのか?
冷静に見ていけば、どの闘いにもミスマッチの匂いはない。
スター選手の、あるいは身びいきしたい選手の、これまでの実績や圧勝したときのイメージだけで「まさかの」という形容句を導いている、そのユルさがイヤだ。

とはいえ、若い選手が(いやベテランでもいいが)、これまでの闘いからは考えられないような、練習でもまず見せたことがないような力を発揮して見る者を驚かせた場合の「まさかの」は認めたい。
まあ、それは滅多にない。ないからこそ「まさかの」というイレギュラーな表現もアリだと思う。

テーマ : 格闘技 - ジャンル : スポーツ

コメント

2人でやってて、まるまる1ヶ月
ブログを更新しないなんて
そんなユルさがイヤです。

月イチ更新なら
いっそその方向で振り切ってほしい。

試合があった、大会があったとき、
ふたりの感想を楽しみにしてる人もいっぱいいますよ。

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